大判例

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仙台高等裁判所 昭和27年(う)378号 判決

八畳間に於て親戚協議中、被告人が兄の為雄に口答えをしたとて、為雄が銅の火鉢を右手に掴んで投げつけようとしたので、為右衛門が前から為雄の胸の辺を押さえ、正男と栄一が後から為雄を抱きとめたこと、しかるに、被告人はその場を逃げようとせず却てかつとなつて、床の間にあつた小刀を取り、他の者に後から抱きとめられている為雄に手向つて行つたこと、そのため為雄は抱きとめられたまま火鉢を投げ、被告人はやにわに右小刀で為雄の胸部を二、三回突剌したので、為雄は益々暴れて抱きとめている者を振離して、被告人と組打ちとなり、二人とも倒れ、遂に被告人が上になつて為雄の頭部を小刀で突剌したことが認められる。

従つてこの場合急迫の侵害とも認め難く、まして被告人の所為は已むことを得ざるに出でたものとは、到底認められない。なお、防衛の意思に出でたものとも認め難い。

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